RBCアナウンサー山野本竜規の「ナカトリモチ日記」

神社の神職は神と人との間を取り持つ「ナカトリモチ」。 神職資格を持つRBCアナウンサー山野本竜規が、仕事の 裏側からプライベートまで日々の出来事を皆さんにお届けします。
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2006年07月26日

腐らないで下さい。

腐らないで下さい。 腐らないで下さい。
今日の夜、職場のデスクに一通のハガキが届いていました。
差出人は
先日、沖縄に遊びに来て久しぶりの再会を果たした昔の同僚で
テレビ金沢の田村純子アナウンサーキラキラ 

僕たちは以前、同じ放送局で
同時期に働いていたので、
田村さんは、当時の僕の様子をよく知っている一人で、
そんな彼女がメッセージとして書いた言葉が、ハガキの文章。

特に「今の」という箇所に
「あれっ!?」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、
その通り、昔は「明るく暖かい空気に包まれている」という実感がなかったんですよガ-ン

最近、職場で会う人、会う人に
なんだかいつも幸せそうだねぇ~!」とか
何も悩み事がなさそうな清々しい顔してるねぇ~!」とか
更には「体内に毒素がなさそうだねぇ~!」とか
僕にとっては、意外で嬉しい言葉をかけて頂くことが続いていますチョキ

いやはや、当の本人は、
コンチキショ~!」と感じることや
ちょっと残念に感じる出来事なんて日常茶飯事なのですが、
確かに、基本的には晴れ能天気晴れなので
特に沖縄に来てからは、周囲の人の優しさに甘えて
のほほ~ん♪と生活しているのかも知れません。

でも、最初からこんなに♪のほほ~ん♪としていたワケではなく、
やっぱり20代の頃は、
それなりに「ゴツゴツ」と角があり過ぎるくらい
周囲と対立していた時期もありました。

今から4~5年前、
一時期、僕は腐っていたんですよダウン

先が見えない、行き詰まり、迷い、不安、
目の前の壁を乗り越えられないもどかしさ・・・
少しでもそういった状況に陥ると
周りが見えなくなり、他の人が羨ましく思える。
「このままでいいのだろうか・・・」と。


あっけらかんとして、どんなイヤな事でも
すぐに忘れてしまう都合の良い性格の僕が
その時の記憶を一生懸命思い出してみると、
真っ先に思い浮かぶのは、嬉しかったことや、楽しかったことも
沢山あるはずなのに、
辛い経験や一人で悔し涙を流していた記憶がほとんどです。

世間知らずで若かったという僕の至らない部分が多かったのですが
仕事も思うように進められず、先輩の意見も受け入れられず、
当時の上司と意見の食い違いから衝突することもしばしば。
当然、理不尽と思えるようなことで正義感たっぷりにケンカをしても、
知恵があり、雄弁な上司や先輩には負けてしまうので、
一人情けない姿を晒して、会社を飛び出すようなことが幾度もあり、
僕はこのまま本当に、まともな社会人が務まるのだろうか・・・」と
真剣に悩んだくらいでした。

だけど、そういった真っ暗な中にいる時、
必ずそっと手を差し伸べてくれる人が現れるものなんですよね~。

ハガキをくれた田村さんもその一人。

山野本クンは間違ってないよ。
 いつか、その悔しい経験が役に立つときが来るから、
 今はなるべく怒らないようにしようね!
」とよく励まして下さいましたキラキラ 

また、周囲のそういった応援メッセージって
思わぬところからも届くものなんですメール

僕が入社3年目で真っ暗な状況が続いていたある日、
たまたま鳥取県庁の入社式を取材する機会があって
式であいさつをする当時の片山善博知事の話を聞いていたら・・・。


長い会社勤めだと、色々な事があります。
中には自分の希望の仕事が出来ないかも知れない。
また、自分の能力を的確に判断できる上司ばかりとは限らない。

若い人の意見を受け入れられない・・・例外もありますが
年の離れた上司とはそういうものだと思って下さい。

しかし、そんな事があったとしても決して腐らないで下さい。
その時にこそ、人間の真価が問われます。
必ずその姿を誰かが見てくれていて時が来れば
あなたを認めてくれる人が現れます。
だから決して腐らないで下さい。


この言葉は僕の心の中にストレートに届きました。
お堅いはずの県庁のトップが、
秘書が用意した月並みの文章を棒読みするのではなくて
自分の体験から感じたことを、自分の言葉で話していたのですから・・・。

僕は県庁の新入社員でもないのに、
たぶんその中で一番目をウルウルさせて
その話に聞き入っていたと思います。

体から余分な力が抜けてゆくのが自分でも分かりました。
「無理に周囲を気にしなくても、このままでいいんだな・・・」って。

それから一年後、
僕は思いもしなかった自分の趣味や得意分野が仕事の一部となり、
その知事さんと一緒に仕事をする機会が多くなったんです。
知事さんのおっしゃった通り、
何を言われても腐らず自分の信念を信じて仕事をしていれば
誰かがそれを見てくれていて時が来たら・・・。

本当にその通りになったものだから僕は、
自らの経験から裏打ちされた知事さんの言葉が間違いでなかったことを
改めて実感したのでした。

僕はこの時の知事さんの言葉がなかったら
今のような自分にはなっていないような気がします。

以前と違って
沖縄で、とても平穏にイキイキ、そして♪のほほ~ん♪と暮らしている僕は、
あの腐りかけていた時、
片山知事の言葉に励まされたこと、
職場でそっと手を差し伸べてくれた人がいたこと、
その全てが今の自分に繋がっていること、
その恩返しを今、放送という仕事を通して、
この沖縄でしなければいけないなぁ~という想いを持って
目の前の仕事に取り組んでいます。

・・・・と、まぁ、能天気な僕らしからぬ発言で
申し訳ないのですが、
当時の片山知事の言葉は、僕の座右の銘のひとつになっています。

決して腐らないで下さい!

「僕もこんな素敵な言葉が堂々と言える人になりたいなぁ~」と
田村さんからのハガキを眺めながら当時のことを思い出して
一人、夜の職場でニヤニヤしていました・・・ピース
田村さん、素敵なハガキ、ありがとうございました~キラキラ 


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Posted by 山野本 竜規 at 02:34│Comments(0)仕事
 
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