RBCアナウンサー山野本竜規の「ナカトリモチ日記」

神社の神職は神と人との間を取り持つ「ナカトリモチ」。 神職資格を持つRBCアナウンサー山野本竜規が、仕事の 裏側からプライベートまで日々の出来事を皆さんにお届けします。
☆新しいブログは、こちら→ 続・ナカトリモチ日記 ←是非、ご覧下さい!☆

2008年02月21日

アナウンサー大変物語。

アナウンサー大変物語。アナウンサー大変物語。

先日、2日間に渡って行われた名球会チャリティーゴルフ大会。

このイベントで、僕は前夜祭と表彰式の司会、
そして特別番組のリポートを担当したのですが
これは、KBS京都放送が主催で、
TBSのスタッフが番組制作をしているので
RBCからは、僕のみの参加。

この仕事、今年で2回目ですが、ハッキリ言って
ものすごく大変な仕事なんです。
それでも、その辛さを含めた楽しさが味わえる
遣り甲斐のある仕事でもあります。

大変で、辛い仕事であるはずなのに、楽しい・・・という感覚は、
なかなか体感できるものではないのですが、
こういった仕事に巡り合えて本当に良かったなぁ~と
心から実感しています。

何が大変かというと、一番は、2日間通して、
食事すら、まともに食べる時間がないほどの
過密スケジュールであること。

前夜祭を含めて、TBSのスタッフや、
式典を任されているイベントスタッフとの打ち合わせ、
リハーサルも綿密に行うので
とにかくホッとする時間がありません。

特にハードな2日目のスケジュールを簡単に説明すると・・・。

朝は5時起床。(ちなみに寝たのは午前3時・・・。)
6時集合。ゴルフ場に7時前に到着して
すぐに「前フリ」と呼ばれる
番組冒頭の部分のリポート撮影が行われます。

番組の台本は、前日の夜に渡されるので、
ホテルに戻って深夜のうちに
番組の進行と、おおよその台詞を頭に叩き込み、
睡眠時間も数時間しか取れない状態で
朝から元気良くリポートをしなければなりません。

ディレクターやスタッフの皆さんは、
「アナウンサーだから、台本も直前に渡して大丈夫だろう。」と
考えてしまいがちですし、それができるのがプロのアナウンサー。

だけど、アナウンサーだって、人の子です。
それに、僕は、物覚えが悪いほうなので
台詞を覚えるのも人一倍苦労します。

今回は、冒頭の前フリ収録も一発OKで済みましたし、
プロなので、これができて当たり前の世界なのですが、
サラッとこなしているように見えて、
実は、陰で貴重な睡眠時間を削って必死に台詞を覚えて、
ドキドキしながら収録をしていた僕がいます。

逆に言えば、
できて当たり前のことを、何事もなかったかのように
サラリとこなすのは、
それだけ、陰での大変な労力が必要だということです。

もし、番組冒頭の収録だけで
何度も撮り直しをしてしまえば
時間が勝負の、この特番では
他のシーンが撮影できなくなってしまい
全てのスタッフに迷惑をかけてしまう・・・というより、
番組自体が成立たなくなってしまう恐れがあるので
とにかくプレッシャーと睡魔と集中力と闘いながらの
番組収録のスタートです。

これほどまでのプレッシャーや緊張感は、
普段、生放送を担当している僕でも、
滅多に体感できません・・・。

番組のロケでは、ひたすら名球会やプロ野球のOBの人に
面白おかしくインタビューしたり、
プレーの状況をリポートしたり・・・ということを
朝8時~午後1時まで、ぶっ通しで行います。

トイレにすら一度も行けない状況なので、
適度な水分を取る以外は、
余分な物を胃の中に溜め込まないように
徹底した体調管理も必要なんです。

そんな厳しさは一切胸の中に仕舞いこんで、
とにかく楽しく、笑顔で
「あっ、テレビで見たことある顔だ・・・みんなデカイなぁ~」と
内心ボンヤリ思いつつインタビューをしながら、
時にはツッコミを入れ、逆にイジられながら
楽しい雰囲気を作り出していくようにします。

それが終われば、
今度は、ゴルフの表彰式の司会の準備のために
急いでクラブハウスに戻り、スーツに着替えて
表彰式の会場まで、車でスタッフと移動。

午後2時、今度は、表彰式の打ち合わせと
ランスルーと呼ばれる
擬似本番のようなリハーサルを終えて
午後3時から表彰式本番。

時間通りに進めば良いのですが、
プレーを終えていないグループが、まだ会場に到着していない・・・。
だけど、4時過ぎには、参加された名球会の皆さんが
空港行きのバスに乗らないと
飛行機に間に合わない・・・という、切羽詰まった状況でした。

こういう時、イベントスタッフは、アナウンサーに
「司会の時間、短くしてもらえませんか???」と必死で懇願されますが
ハッキリ言って、無理難題に近い状況でもあります。

台本もしっかり、進行もしっかり決められていて、
時間も綿密に計算されている式典の上、
大手企業のスポンサーの方の肩書き、名前、挨拶の順番、
表彰のプレゼンターのご案内など、
絶対に言わなければいけない、やらなければいけないことだらけの
決まり事が多い表彰式なんです。

おまけに表彰式の要である、
表彰者の順位表すら手元になく、
式典本番中にしか手に入らない・・・とのこと。

でも、その無理難題すら、内心怖くても、
笑顔で「出来る限り、やってみます!」と答えられるのが
プロの仕事、そして、
仕事人として愛される人だと思うのです。

今回は、去年と同じく
京都放送の平野智美アナウンサーが一緒だったので
とても心強い気持ちで表彰式本番に突入。

始まってしまえば、あとは、やるしかありません。

どのくらいの時間を短縮できるのか、
2人の呼吸を合わせながら司会進行をし、
途中、表彰する人のリストが入り、
チラチラ確認しながら、何事もなかったかのように
会場を盛り上げる・・・。

完璧な内容とは決して言えませんでしたが
時間も、かなり短縮しながら
それなりの司会ができたと思っています。

正直、ここまで精神的にも、
体力的にも疲れる仕事は、滅多にありません。

だけど、これだけ大変で、
睡眠不足で、お腹が空いて、トイレも行けなくて、
疲れて、無理な注文も多くて、緊張の連続だったはずなのに、
終わったあとに、心地良い疲労感と感謝の気持ちが
沸き起こるのは、何故なんでしょう・・・。

そして、また、このスタッフたちと、
この仕事がやりたい・・・と自然と思ってしまうこと自体、
面倒なことが嫌いなグ~タラな僕には、
あまり考えられないことです。

でも、そう感じてしまうのも、全ては、
「人の想い」だと思うんです。

何か1つの目標に向って、
一生懸命に頑張っている人たちが
それぞれの立場で、出来る限りのことをやる。

その熱意や努力というのは、
波動のように周囲の人たちにも伝染します。

TBSの番組制作スタッフや、イベント会社のスタッフの皆さんは、
とにかく、一生懸命でした。

しかも、「明るく、楽しく」一生懸命でした。

みんな、辛いはずなのに、本当に大変なはずなのに、
嫌な顔は、一切見せずに
現場の雰囲気を盛り上げてくれるような
熱意ある仕事人たちと一緒にいると、
僕たちだって、多少の無理難題は
「出来る限り、やってみよう!」と自然と思うものです。

僕は普段から、このブログで
「どんなことでも、できるだけ悲壮感を漂わさずに、明るく楽しく・・・」と言っていますが
仕事にしても、プライベートにしても、
これが出来る人は、沢山の人に愛されます。

自分だけが、辛いんじゃない・・・。

本当は大変だけど、
笑顔で接して、周囲の雰囲気を明るくする・・・。

周囲の人のことを思い遣って、考えて
行動できる余裕を身につけるまでには
それなりの時間がかかりますし、
誰もが、簡単に出来ることではありませんが
これは社会人の基本というより、
仕事の上でも、プライベートでも、
愛される人の基本でもあります。

僕も愛を貰ってばかりの人よりも、
自分から、どんどん発信していける人間でありたい・・・と常々思っていますが
こういった大切なことって、
日常生活の中で、それぞれの立場で、
仕事や、家事や、育児や、学校の勉強の中でも
十分学べることなんですよね。

人の想いって、それだけスゴイものなんです。

辛いけど、楽しい・・・と思える仕事に出会えたこと、
これは、僕にとって本当に幸せなことです。

仕事って、勿論働くための、食べていくための
手段の一つにしか過ぎませんが
それでも、給料に加えて
これだけ貴重な心の財産まで頂けるのですから
本当に有難いものですよね。

辛いけど、楽しい・・・。またやってみたい・・・。

皆さんも、そういった
遣り甲斐のある何かが見つかるといいですね。

ちなみに、この特別番組の模様は
京都エリアと沖縄でご覧頂けますよ。

KBS京都放送 3月15日(土)  19:00~20:54
RBC琉球放送 3月21日(金)  14:59~16:24


是非、明るく一生懸命な仕事人たちが
総力を結集して作り上げた番組をご覧下さいね!


同じカテゴリー(仕事)の記事
ラスト・ニュース。
ラスト・ニュース。(2009-03-31 14:05)

最後の出社。
最後の出社。(2009-03-31 11:39)

繋がる命。
繋がる命。(2009-03-28 05:28)

最後の仕事@ラジオ
最後の仕事@ラジオ(2009-03-23 05:22)


Posted by 山野本 竜規 at 06:18 │仕事